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10月20日
011 小石川|文京区
「築50年以上の長屋リノベーション」 これは昭和29年に建てられた築54年、木造2階建長屋のリノベーションである。 この計画は建物の傾きも、雨漏りを防ぐための屋根の葺き替えもせずリノベーションを試みた、 今まででもっとも困難な案件。 去年の今頃、施主である建物のオーナーから頂いた相談は、 「予算の中で住めるようにして欲しい」というものだった。 この築50年の長屋は、雨漏り、土台の腐食、天井や壁の崩壊、長年の埃、と 老朽化のオンパレードであり、人が住むには難しくなっていた。 このオーナーは私たちに相談する前に色々な施工会社に相談をされていたようで、 「大体1200~1400万円と言われている。でもそんなに予算はないです。」と話していた。 色々と試行錯誤した結果、この案件は竣工を迎えることになる。 オーナーからヒアリングを終えた時、 私の興味は「予算の範囲内で、どうやったら住めるようになるか?」だけになった。 一般的な施工の概念で、「建物の傾きも、雨漏りを防ぐための屋根の葺き替えをする。」 というスタンスを取るのは辞めた。 それをしてしまえば、他の施工会社と同じような金額が掛かってしまい、 オーナーの要望を叶えることが出来なくなってしまうからである。 とはいえ、ある程度のリスクを回避する為に、 「建物全体を軽量化する為に、剥がしても成立するものはすべて剥がしてしまおう。」 「雨漏りして来ても、すぐに補修できるように、屋根はあらわしの状態にしよう。」 など、可能な限り建物を延命でき、メンテナンスが容易にできる「減築」的アプローチを試みた。 おそらく、この案件はリフォームでもリノベーションでもない。 「修復」という言葉が一番しっくりとくる。 修復された建物は、形こそほとんど変えていないものの今や新しい魅力を放っている。 日本の住宅平均寿命は25年と言われている。 一般的には「築50年の建物は建て替えるべき」と言われ、今回の私たちの取り組みも もしかしたら「あり得ない」と言われるのかもしれない。 ただ、築100年、200年が多く残る欧米諸国のように、 古き良きものにある種の「郷愁」を求めながら修復を重ね、住み続けることは素晴らしい。 意識、認識、解釈は人それぞれ異なるが、築50年の木の温もりは新しい建物には存在しない。 調査報告 リノベーションレポート (文:ルーヴィス・福井信行) ![]() ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

