|
03月01日
027 下目黒|目黒区
マンションコミュニティの循環 現場にいると、改修している部屋の中に意識が集中しがちになるが、 これから住む施主にとっては、マンションコミュニティ自体も住まいのうち。 おしゃれなカフェにいっても、料理が美味しくないとがっかりするのと同じで、 いくら室内が自分達仕様にリノベーションされても、 マンションのコミュニティと上手く付き合えなければストレスになる。 そうなると、マンションはただのコンクリートの箱でしか過ぎず、 自分の住まいは室内、という割り切った考え方になっていく。 『マンション雅叙苑』が竣工した1970~80年代は、大型マンションの建設ブームだった。 当時のパンフレットが『マンション雅叙苑』のオフィシャルサイトに紹介されている。 そこに『「人間存在」の設計』というフレーズがある。 このマンションのつくりからして、マンション棟という箱の集まりの中に人を存在させ、 コミュニティを形成していくことが大きなテーマとなって設計がなされていることが分かる。 『マンション雅叙苑』にはこの40年間、継続的なコミュニティが存在している。 そう現場にいて感じることがあった。 具体的に言うと、すれ違う人たちの層が実に幅広い。 若めのご夫婦がそろって出勤し、転んでしまったお年寄りに声を掛けたかと思ったら、 子供に階段で追いかけられる。 改修工事のお知らせがあちこちに張り紙してあることは住人が循環している証拠のように思う。 新築時に入居した若い夫婦は子育てを終え、また2人に戻る。 そこから循環が生まれなければ、住人層はしだいに高齢化し、 結果、マンションコミュニティも先細りしてしまう。 近年、問題になっているコミュニティの高齢化だ。 『マンション雅叙苑』は、住人が自然循環し、管理体制やコミュニティも活力を失っていない。 入居者が入れ替わりながらも、管理体制を繋いできた住民の高い意識によるものかもしれない。 中古マンションのリノベーションは1室の改修にすぎないが、 広義に捉え、自分らしい住まいを手に入れるということだけではなく、 コミュニティを循環させる役割を担うことができるのもリノベーションであるなら、 中古+リノベーションも社会全体のモチベーションに成り得るのではないかと感じた。 (文:ルーヴィス・佐藤麻紀) ![]() ![]() | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

