築31年の鎌倉の戸建をリノベーションした。
本計画はリビングと和室を1つの大きな部屋にする為に、天井を壊す事から始まった。
出てきた構造体は築年月を感じさせる古さを抱えていたが、これからの年月にも通用する味わいもまた感じられた。
そこで天井の木のグラデーションを投影するように、床にもグラデーションの色調を持った大判のタイルを施工した。
柔らかな光沢を持つモダンタイルは水面に似た雰囲気を持ち合わせ、木の雰囲気を損う事なく、むしろ相乗的に彩りを増した。
壁は塗装下地としての紙製壁紙と自然塗料が複層的に現れ、ゆらぎのある奥深い表情を生んでいる。塗装は引渡し後施主によってDIYで仕上げられた。
LDKに焦点をあてている本計画の主役には、アイランドキッチンを据えた。
大きなタイルカウンターはダイニングテーブルにもなり、すぐに施主家族の生活の中心になった。
このクラシックでコンテンポラリーな空間においては、既存のまま残した雪見障子と新設したスタイリッシュなガラス扉が優雅に共存できた。
雪見障子の向こう側は内縁となっていて、リノベーション前の用途を残している。
古さと新しさが共存し、この先の長い年月においても古く、新しくある事を目指した。
種別 |
リノベーション |
---|---|
構造規模 |
木造2階建 |
設計 |
ルーヴィス |
設計担当 |
高橋幸一 |
施工 |
ルーヴィス |
施工管理 |
高橋幸一 |
計画面積 |
143m2 |
撮影 |
中村晃 |
所在地 |
神奈川県鎌倉市 |