2026/01/05 【移転のお知らせ】2025年12月25日〜

シゴト

WORKS
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武蔵野の部屋

低層壁式RC造のマンションの一室を改修し、夫婦と子どもの住まいを計画した。

リノベーション前の既存間取りは、共用廊下からプランの中央部分にアクセスし、
南北の居室へ分岐する平面形状をしていた。角部屋のため、物件が有している特性として、全ての居室に開口を有しており、
水平方向の抜けと採光は申し分なく、窓を開けると風がそよいでゆく心地よさがあった。

建物は壁式RC造であるため耐震壁の制約があり、
ワンルーム化のリノベ方針は早々に不適と判断した。そこで、既存のゾーニングを素直に踏襲し、公道に面した南側にLDK、
低層住宅地に面した静かな北側に寝室・書斎を配置するプランとした。

室ごとの分節は避けられなかったため、
床・壁・天井が途切れつつも連続すること(=断続性)を意図して計画している。それは部屋内部だけでなく、建物エントランスのレンガ内壁をサンプリングし、玄関床、
ダイニング床へとレンガ調を断続させる試みなど、部屋内外の断続性も目論んでいる。また、一様な空間から脱却する所作として、天井のレベル・形態を操作している。例えば、リビングの一角は、縁側のように天井高を下げ、
相対的に余空間を広く感じさせるねらいがある。また、既存梁下や廊下の半ヴォールト天井など、天井高を抑制した場所を介入させる
ことで、空間の抑揚が断面的に連続するような体験を作り出せないかと考えた。

色彩計画は、白・茶・赤+金を基調にまとめながら、下地の差異によって同じ「白」塗装でも面ごとに表情が異なり、それらが即物的に寄り合う場所が変奏を生んでいる。

この部屋が、家族の記憶の背景となることを期待している。

【文:佐藤広章・井川日生李】

CREDIT

種別

リノベーション

構造規模

RC造

設計

施主設計・ルーヴィス

設計担当

佐藤広章 井川日生李

施工

ルーヴィス

施工管理

井川日生李

計画面積

68 m2

撮影

中村晃

所在地

東京都武蔵野市

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